【シェーン・スノウ】時間をかけずに成功する人 コツコツやっても伸びない人 SMARTCUTS

 

本書は、賢い近道=SMARTCUTS(スマートカット)について、現代の神話となっているような成功者の行動を分析したものです。

 

では、早速ですが、次のA群、B群に表された考え方や行動について、自分に合っているなと思ったらチェックをつけてみてください。

 

 

A群

 □ 小さな成功を地道にたくさん積み重ね、大きな成功にたどり着こうとする。
 □  下積みからスタートし、一段一段、着実に出世の階段を上ろうとする。
 □ ライバルが少なそうな場所からスタートする。
 □ 自分の実力をひたすら磨き、一人でがんばる。
 □ 職場の上下関係、制度、紹介などで与えられた「形式的メンター」に頼る。
 □ まわりに尊敬できる人もロールモデルがいないと、メンター探しをあきらめる。
 □ 失敗を引きずる、人のせいにする、もしくは「何事も経験!」と笑い飛ばす。
 □ ネガティブなフィードバックをもらうと、心が折れてしまう。
 □ とことん考えた自分のアイデアを、自分流に発表する。
 □ 何事も全力投球。どんな仕事でも「100点」を目指す。
 □ 何事も基本が大切。コンピュータなどに頼ると能力が衰えると信じている。
 □ どんな環境であっても、すべての案件について個別に努力する。
 □ 「運とは天から降ってくる純粋な巡り合わせだ」と無邪気に信じている。
 □ 自分の本業に専念し、いつか運が巡ってくるのを待つ。
 □ 新しい商品やサービスで未知の市場を創る「ファースト・ムーバー」を目指す。
 □ 人脈を広げようと、いろいろな人とコンタクトを取る。
 □ ネットワークができたら、どのような協力をしてもらおうか考える。
 □ ギブ&テイクで公平なネットワークをつくる。
 □ 思いがけず成功し、一発屋で終わる。
 □ 「成功」という目的を遂げて燃え尽きてしまい、成功を楽しめない。
 □ より良くするために、優れたオプションを多くつけるべきだと考える。
 □ 何ごともていねいに、小さなことでもその都度、判断する。
 □ 白紙の状態から唯一無二のアイデアを生み出そうと頭をひねる。
 □ 大きなことを成し遂げるには、予算と人が必要だと考える。
 □ 今あるものの改善点を探し、10%改良する。
 □ 「自分の夢」をひたすら語り、まわりの賛同を求める。

B群

 □ 小さな成功を元手に大きなチャレンジをして、一気に目的を達成する。
 □ ひとつの階段を途中まで上ったら、キャリアを変えて別の階段を駆け上がる。
 □ ライバルがひしめく「メジャーな場所」で実績をつくり、自分に箔をつける。
 □ その道の達人(メンター)に教えを請う。
 □ 自然に出会う、自分で探して頼み込むなど、「個人的メンター」に協力してもらう。
 □ 観察力を磨き、メンターを見つけ出す―たとえ会ったことがない相手でも!
 □ 自分の失敗でも他人の失敗でも、失敗を分析し、次のチャレンジに役立てる。
 □ ポジティブでもネガティブでも、フィードバックから「役立つ点」を抽出。
 □ とりあえずアイデアを発表し、フィードバックに合わせてどんどん変える。
 □ 頑張らずにすむ「合格ラインの点」を取り、余った力で重要だと思うことをやる。
 □ コンピュータ活用で省略できることはすべて省略。空いた時間で深く思考する。
 □ 整備された環境(プラットフォーム)を活用し、ムダな努力を省く。
 □ 地道な観察で「運に出会えそうな場所」を探し、タイミングよく駆けつける。
 □ 本業でなくても、「何かありそうなこと」には、とりあえず足を突っ込む。
 □ 「ファースト・ムーバー」が市場を開拓したあと、素早く問題点を改善した商品やサービスを出して利益を取る「ファスト・フォロワー」を目指す。
 □ たくさん人脈を持っていそうな一人とコンタクトを取る。
 □ ネットワークができたら、まず相手の役に立つことを考える。
 □ ひたすらギブを続けてファンをつくり、信頼に満ちた絆をつくる。
 □ 「成功したら次に打つ手」を、成功する前に用意している。
 □ ひとつの成功で勢いをつけ、成功の連鎖を目指す。
 □ より良くするために、思い切ってオプションをなくす「シンプル化」を考える。
 □ 集中力を高めるために、細かいことはルーティン化して判断を省略する。
 □ 予算、環境、条件など、制約を設けたうえで、たくさんのアイデアを出す。
 □ まず徹底的にムダを省き、低コスト、少人数で大きなことができる方法を考える。
 □ 常識や前提を捨てて「10倍いいもの」を目指す。
 □ ストーリーで肉付けした「みんなの理想」を語り、ブームを巻き起こす。

 

A群に当てはまることが多かった人は、残念ながら、コツコツやっても伸びない人です。B群に当てはまることが多かった人は、時間をかけずに成功する人です。

あなたはどちらでしたか?

 

本書のなかで説明されているのは、ラテラル・シンキング=水平思考です。

 

助けられるのは一人、その時あなたは誰を助ける?

雷雨のなか、あなたは車を運転しています。

前方には3人がずぶぬれで歩いていて、あなたは助けてあげたいと強く願いますが、あなたの車には荷物が載っていて、助けてあげられるのは一人だけ。

そのときあなたは誰を助けますか?

  1. 足元もおぼつかないおばあちゃん
  2. 以前、自分を助けてくれた友人
  3. 自分の伴侶にピッタリな異性

本書での回答はこうなります。

 

車のカギを、2の自分を助けてくれた友人に渡し、1のおばあちゃんを乗せてくれるように頼み、自分は車を降りて異性とともにふたりきりで雨宿りをするのです。

 

そもそも助けられるのは本当に1人だけなのか?と疑うことで、違う角度から物事をとらえると解決策が見えてくることがある、と説明しています。

これがラテラル・シンキングです。

 

ラテラル・シンキングのパターン

Ⅰ近道を探す(SHORTEN)

ハッカー的思考法で成功までの道のりを短縮する方法。

 

Ⅱ少ない労力で大きく動かせ(LEVARAGE)

できる人間が少ない労力で大きな成果を出そうすることがレバレッジ(テコ)。

 

Ⅲ勢いに乗って舞い上がれ(SOAR)

勢いに乗ったら、それをさらに掴んで上に登れ。そのためにはこんなやり方がある。

 

この3つのテーマにそって、9つのパターンを紹介・解説しているのが本書です。

しかし、それには地道な努力と、勢いにのったときのための準備が不可欠です。それらについても事例を対比して、くわしく解説しています。

 

そのキャリア形成は正しいですか?

本書の冒頭に、歴代のアメリカ大統領のキャリアが列挙されています。

アメリカ大統領に求められる資質とはリーダーシップであって、政治家としての経験年数ではないのです。

なぜなら、アメリカ大統領就任の平均年齢は55歳、上院議員に当選する年齢は62歳。下院議員は57歳で、大統領のほうが若いのです。

大統領となった人たちは、他の分野でリーダーシップを示し、それが話題になった勢いで大統領になっているというわけです。

つまり、キャリアを積み重ねて努力したからといって大統領にはなれない、という歴史的事実を示しています。

 

これをビジネスに置き換えると、勤勉さや運だけでは成功しない、ということになります。単にがむしゃらに働くのではなく、賢くスマートに働く必要があります。

より成功に近い階段に乗り換え攻略すること。

著者は、ハッカー的発想と起業家的行動力が不可欠だと主張します。

 

少ない労力で大きな成果

本書では、多くのページをフィンランドの教育改革について費やしています。

フィンランドでは、シンプルなカリキュラム、学び方を教える高度な教育へと転換し、生徒がすぐに忘れるような一般的な知識を重視せず、仕事に使えるような実践的な教育に重きを置いたのです。

その結果、フィンランドの学校にはスポーツチームがなくなりました。学校の人・カネ・モノはすべて教育にふりむけ、学業での成果を重視することになりました。

オリンピックのメダル数でフィンランドが上位に来ることはありませんが、学力では国際的に上位を獲得するようになりました。しかも、最小限の努力で。

フィンランドの教師が授業に費やす時間は年間600時間。

日本の教師は、授業以外に時間を取られて世界最長の週54時間になることがわかっています。月間で200時間を超えている日本は、典型的な「下積み主義」型教育で、まじめにコツコツ、知識を記憶することに多くの時間を割いています。

こんな教育スタイルで、イノベーションを生み出せる思考法が身につくとは思えません。

 

本書は、これまでそれなりに努力してきているにもかかわらず、成功に近づいている気がしない人には必読の書です。

 

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